山梨大学緊急シンポジウム「コロナ感染最新情報-大阪派遣看護師の報告と山梨の今後」を開催

2021年5月24日 im体育官网

 令和3年5月14日(金)、医学部キャンパスにおいて、山梨大学緊急シンポジウム「コロナ感染最新情報-大阪派遣看護師の報告と山梨の今後」を開催し、本学の医療スタッフ?医学部教員及び学生等が参加しました。
 本学附属病院では文部科学省の看護師派遣要請に基づき、令和3年4月19日から、im体育官网感染症により医療のひっ迫が続く大阪府へ看護師の派遣を実施しています。4月30日に1人目の派遣者となった山本雅弘看護師が、5月8日には2人目の派遣者となった田中大登看護師がそれぞれ帰院したことから、両看護師が持ち帰った大阪府の深刻な現状や治療の知見を共有するため、シンポジウムを開催しました。
 シンポジウムでは、5月1日から7日まで、現在大阪府内で最もコロナ重症度の高い患者の医療を担っている関西医科大学総合医療センターの重症患者ICUで患者のケアや退院の準備などを受け持った田中看護師が、重症者の受け入れ要請が相次ぎ、病床確保のため体外式膜型人工肺(ECMO)を積極的に使えないといった同センターの過酷な医療現場の状況について報告し、許容を超えた患者数によって看護師が業務に追われ、患者を個別に見る余裕がなかったと振り返りました。
 また、4月20日から30日にかけて大阪コロナ重症センターで患者の介助や薬剤?呼吸の管理などの看護業務を担った山本看護師が、センターの組織概要や看護師の配置体制について報告しました。山本看護師は感染者?病原体保有者が行動する汚染区域「レッドゾーン」に最長で継続的に6時間、1日計7~10時間業務に当たると言った過酷な現場の現状について述べ、改めて感染症の恐怖を実感したと語り、医療体制がひっ迫している状況下におけるCOVID-19患者の治療?看護の過酷さを学内関係者と共有しました。
 このほか、井上修感染制御部副部長から山梨及び全国の感染状況について、森口武史救急部長から本院における重症COVID-19診療についてそれぞれ説明があり、人工呼吸器やECMO等を使用する重症例の治療経過や問題点について述べました。
 最後には、上記の4名に島田眞路学長、榎本信幸病院長、川村龍吉感染制御部長が加わった総合討論の場を設け、大阪府における看護師不足の状況や医療体制について、活発な意見交換を行いました。
 本院では、今後も看護師の派遣を続けるとともに、派遣した看護師が持ち帰ったノウハウを病院全体で共有し、更なる医療水準の向上を図ってまいります。